ミニマム現場の照明に関して
【動画制作オプトインクがお伝えするお役立ち動画コラム】
今回は、映像業界にいる方でも苦手意識がある人が意外といる照明に関して記載していきたいと思います。
まず前提としてですが、私は照明のみを専門に扱ったことはありません。
主に撮影部(カメラマン)、ディレクターとして現場にいる際に、行っていたことを記載していくので、本職の照明の方からは「それは違う」という部分もあるかもしれません。ただ、最近は照明さんを呼ぶことのできない規模の撮影も多くあり「その中で見れるものを作る」という観点から私の考えを記載していきたいと思います。
過去、企業VPでのドラマ案件・企業PR・インタビュー・番組風コンテンツ・商品の物撮りなど照明が必須となる案件を会社員時代やフリーランス時代に多く行っていました。
筆者の場合、予算が多くない現場も多く、プロの照明を呼んだりなどはあまり行えず撮影部で兼任したりしていました。
※現場のディレクションしながら撮影して照明も組むことが多くありました。(落としどころを自分で決めれるので楽な部分もあります)
予算がなく、人もいない。そんな状況でも時間もない。
そんな中で最低限見れるライティングを組まないといけない。そんな状況でどのようにしていたのかを記載していきたいと思います。
ただ、対象物によって組み方・考え方も変わるので、今回は人物に焦点を当てて記載していきます。
前提として
3灯照明というものを知っているでしょうか。今回はグーグル検索しても照明の本を読んでも最初に記載のある3灯照明を知っている前提にて記載していきます。
それに加え、照明は「明るくする」「影をつくる」「影を消す」「雰囲気を作る」「後工程でいじりやすくする」ものと捉えながら読んで下さい。
さて、照明を組む際に考える順番としては下記になります。
①編集後のイメージ(ざっくり分けて生っぽくしたいのか、フィルムライクにしたいのか)
②カメラの種類はビデオカメラなのか、一眼・シネマカメラのようなダイナミックレンジが広くとれるカメラなのか
③現場では何人で作業行うのか(今回はミニマムに関してなので撮影・照明あわせて1人とします)
④使える照明機材はLEDなのか、タングステンなのか、HMIなどのデイライトの定常光なのか(今回はミニマムに関してなのでLEDタイプとします)
①編集後のイメージ
編集時にフィルムライクにしたい場合、陰影が明確にある方がカラコレ・カラグレが行いやすいと考えています。
それは、ハイライトとシャドウ部分に別の色を入れて加工する方が楽にフィルムライクに仕上げられるからだと思っています。(白飛び、黒つぶれはNG)
3灯照明で言えばキーライトとされるものを主軸に組むか、全体的に明るくするために被写体に対して2灯を挟み込むようにライティングするのどちらかになります。(弱めのキーライトが左右にあるというイメージです)
②カメラの種類はビデオカメラなのか、一眼・シネマカメラのようなダイナミックレンジが広くとれるカメラなのか
ビデオカメラの場合気を付けないといけないは「背景と人物の光量差」と「その場において違和感がないか」です。
人物にラインティングしたら、背景にも明るさを足したりしないといけません。(差がありすぎると合成のように見えたりもします)
しかし、背景を暈すことのできる一眼やシネマカメラでは、その必要性が下がります。
それは、ビデオのように全体に目が行くことは少なく、ピントの合っている人物に目が行きやすく、「ボケている部分」「ピントの合っている部分」では受け取るイメージが違い、差がでても合成のように見えないからです。
※一眼でもパンフォーカスのようにするなら、ビデオのようにライティングする必要が出ることもあります。
そして、ビデオ・一眼などと関係なく言えることは、出来るだけカメラ側で明るさを稼ぐということです。
昔のカメラと違いゲインを全く上げられないということはないのです。
まとめ
・編集で雰囲気をつくり、フィルムライクなど加工前提ならキーライトと背景に1灯ずつを基本にします。
※より抽象的にするときは、画に映らない場所からバックライトを入れ、片方でも良いのでエッジを入れる。それに加え、キーライトは人物の目に移りこむ位置にもっていく。
・生っぽい印象で問題なく、編集であまり調整する予定がないなら、左右から弱めなキーライトで挟み込み、背景に1灯いれ全体がフラットになることを心掛ける。
※背景用ライトが用意できない場合は、キーライトの芯を外し、背景にもあたるように設営してもごまかしがきくことが多いです。
以上がミニマム現場におけるライティングの基本です。
色々記載しましたが、大切なのは「明るくする」「影をつくる」「影を消す」「雰囲気を作る」「後工程でいじりやすくする」と初めに記載したことを念頭に置くことです。
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この記事を書いた人
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オプトインク 森田眞弘2011年から映像制作・技術会社にて企業映像や記録・配信映像にて |