映像制作の価格に関して(価格を抑えたい)
【動画制作オプトインクがお伝えするお役立ち動画コラム】
最近コロナの影響もあってか、業者間での低価格争いが顕著になっている気がしています。
付き合いのあるいくつかの制作会社からも同様の話しを聞きます。
約10年位前に某ビジネスマッチングサイト・フリーランスサイトによって価格が一度かなり下がったのは同業者なら周知の事実ですが、そもそも映像制作に置いての金額とはなんでしょうか。
項目ではディレクション費や撮影費・編集費など記載されているかと思いますが
実際のところの本質が違うことが多々あります(制作会社によって違います。値付けも各制作会社の自由です。)
実際の項目は
・相場の人件費と稼働人数
・何日稼働するのか
・外注費はいくらか
・経費(機材費なども含む)はいくらか
・純利益はいくらか
をわかりやすい項目分け・耳障りの良い書き方をしているだけなのです。
上記のことから、主に工数・経費・純利益の3区分にできます。
上記を度外視し、自転車操業をしている安い会社も多々存在しますが、働いている人の賃金は安く、すぐ辞めます。私もかつて辞めた一人でした。
ただ今回は愚痴を記載したいわけではないのです。
そんな中少しでも安く制作を請け負わせるにはどうしたら良いかということを記載しきます。
①工数を減らす。
②見積段階で何をしたいのかを具体的にする
③想定売り上げを立たせる
④金銭以外の価値を提供する
上記4点を間接的に制作会社から提案・誘導されることもあるかと思いますが、発注者側からの協力の姿勢があるだけで価格が下がることもあります。
意外と映像業界は人情的な場合が多いのです。(経験上コンサル的なことを兼ねていない制作会社に限る)
逆に高圧的なクライアントには高価格をぶつけるという話しか聞いたことしかありません。
それはさておき上記4点を大まかに解説していきたいと思います。
①工数を減らす。
アウトプットによって制作の流れも違うため一概にはいえませんが、資料・アウトプットイメージの共有、何を作成したいかが分からないというのが一番見積額が上がります。
何にでも対応できるように金額を乗せるからです。
・修正回数の制限
無限修正を売りにしている会社もあります。
制作会社の出している意向なら問題ないですが、(過去21回修正を行ったと話も聞いたことがあります。)
多くの制作会社は修正回数の想定回数に縛りがあります。
修正内容に関係なく、工数がかなり多くなり、原価を圧迫します。
もちろん修正がないように、制作するのは制作会社の義務みたいなものです。※そのために提出資料やコンテ・現場でのクライアント確認があります。
好みが大きくでる業種・お客様としては実際に見ないとわからない場合もあるため、修正はある程度は仕方がなのですが、極力初めに取り交わした回数に終わるようにお互い努力が必要なのです。
・修正と追加の違い
先ほど、修正と記載しましたが、修正と追加は全く違います。
見積・最初に作成した構成・取り決めから逸脱する要望は、修正ではなく追加です。
例①
初稿を出した後に「実写部分を3DCGアニメーションにしたい」
これは、修正ではなく追加です。
再見積もりの対象になり、当初の見積から使用しなくなった実写撮影分に3DCG制作費用が加算され、納期がのびます。
例②
2時間のセミナー動画初稿提出後、全編に字幕を入れたい。
これも追加です。納期ものびます。
要するに、事前にわかっていない・出していない要望は全て追加となり、金額が上がる要因になります。
お客様側での予算も決まっており、追加で出せない場合もあるかと思います。
その場合は、交渉となりますが制作会社は営利企業です。
制作会社側も赤字にはできないのです。
・お客様側のチェック体制(意思決定者まで毎回チェックが回るか)
修正・追加に関して記載していきましたが、往々にしてお客様側の「意思決定者・上司・会社の意向」によって左右される場合がほとんどです。
制作会社からもアナウンスはあると思いますが、必ず都度「意思決定者・上司」にまで確認を回して下さい。
その方々が忙しく確認してもらいづらいなら、それを加味したスケジューリングを行って下さい。
所謂「ひっくり返し」がお互いにとって一番ダメージが大きいのです。
※それを加味したスケジューリングは制作会社の役割でもありますがご助力は必ず必要になります。
②見積段階で何をしたいのかを具体的にする
撮影してほしいとだけ漠然と言われることがあると聞いたことがあります。
ただ、撮影といってもイベントなのか、ドラマなのか、インタビューなのか、取材なのかアウトプットによって機材も人員も変わります。
イベントの場合、収録なのか、画だしだのか、配信なのかによっても大きく変わります。
簡単に言えばカメラ1台の見積と50台の見積は違うのです。
何を、どんな風にしたいかの相談を必ずして下さい。
そして可能ならアウトプットイメージに近い動画があれば共有して下さい。
もちろん、「会社から採用動画を作成しろ」と言われ、どうしたらわからない。
というアウトプットイメージがない方もいるかと思います。
その場合は、状況の説明と企画提案のオファーや入札にて制作して下さい。
通常は企画提案も金銭が発生します。
ただ、入札の場合は企画書と金額をご自身の稼働費のみで手に入れられるため、そういった方には適しているのかと思います。
※入札があつまらない・良い企画がないということもあるかと思いますがその場合は、制作会社に相談して下さい。
③想定売り上げを立たせる
どの企業も当たり前ですが原価での制作はできません。
制作会社も出ていく金額があり赤字案件ばかりだと会社が存続できなくなるからです。
①②と記載した通り、
何を、どんな風に作成し、工数の認識ずれが無いと制作会社が判断すれば、「何かあった時用の費用」がほぼ乗っていない金額にて制作の適正な費用がわかり、
金額を抑えられるのです。
※ただ、会社によって純利益何%と決めている場合が多く、そこは崩せません。
尚、発表会などのDVD・BD制作の場合、最近は撮影費用・編集費用をとらず、販売枚数のみという業者も多くいます。
結婚式なども撮影までは無料、サンプルみてから購入を検討するという「あと売り記録」と呼ばれるものも増えたと聞きます。
発表会などの制作も修正の過程で映像を確認できるため、販売枚数でのみ課金となると実質あと売り記録を変わりません。
お客様からしたらとても良いサービスだと思います。
しかし、売り上げがたってないもの、発注が確定していないものに、そんなに労力を割くでしょうか。
これは制作会社からしたらとてもリスキーな仕様なのですが、お客様からしても実はリスキーな部分があります。
減価を抑えるために、経験のないカメラマンを起用することも多くあるからです。
ないよりある方が良い位のレベル感を求められている方には、合っているサービスだと思いますが、それ以上は期待しない方が良いと思っています。
※稀にほぼ趣味レベルでその撮影をやっているその道のプロが業務委託で作成するということもありますので、運が良ければアウトプットは良いものができます。
④金銭以外の価値を提供する
これは、全ての制作会社に当てはまるわけではないですが、実績・サンプル・事例・口コミなどの協力によって金額を下げることもあります。
中には著作権・肖像権などを無視し、勝手に事例紹介している会社もありますが、
(著作権は制作会社に帰属するのが通常です)
そういう会社は貴社での制作物も勝手に使います。
会社・団体からの許可をとり、出演者から許可を取るなど、正規手順を踏むと手間がかかり、手に入りにくい分、減額の交渉材料になるのです。
まとめ
以上のことから、価格を抑える方法はないわけではないのです。
※他にもないわけではないが、細かいことになるので一旦ここで切り上げます。
ただ、お客様側の負担を大きくなるので、そこを踏まえて発注してみて下さい。
お客様からみたら簡単に済むようなことだと思っても実際は工数がかかることも多くあり、まずは、何をしたいのかを具体的に相談してみて下さい。
【動画制作オプトインクがお伝えするお役立ち動画コラム】
この記事を書いた人
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オプトインク 森田眞弘2011年から映像制作・技術会社にて企業映像や記録・配信映像にて |